いびきで病院に行くなら何科?検査・治療の流れも徹底解説

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いびきは何科に行くべき?迷ったときの診療科ガイド

いびきに悩んでいても、「どの診療科にかかればいいの?」と戸惑う方は少なくありません。
単なる生活習慣の一部と思われがちないびきですが、放置しておくと健康リスクにつながる場合もあります。そこで、ここではまず「いびきで病院に行くなら何科か?」について、分かりやすく解説します。

まず受診すべきは耳鼻咽喉科

いびきの主な原因は、鼻や喉など上気道の狭窄にあります。
鼻づまり、扁桃腺の肥大、アデノイドの影響、鼻中隔のゆがみなど、耳鼻咽喉科が扱う領域が大半を占めています。

以下のような症状がある場合は、まず耳鼻咽喉科を受診しましょう:

  • 鼻が詰まって口呼吸になりがち

  • 寝ているときに喉が鳴るような音がする

  • 扁桃腺が大きい、よく腫れる

  • 花粉症や慢性鼻炎を抱えている

耳鼻咽喉科では、鼻や喉の構造を詳しく診察し、必要に応じて内視鏡検査や画像診断を行います。

内科や呼吸器内科が適するケースとは

肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病といびきが関連していることもあります。
また、呼吸の乱れが明らかで、**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**が疑われる場合には、内科や呼吸器内科でも対応可能です。

たとえば以下のような人は、耳鼻科ではなく内科から受診するのが適している場合もあります:

  • 肥満で首回りに脂肪が多い

  • 日中の強い眠気が続いている

  • 夜間に息苦しさや中途覚醒がある

  • 高血圧や糖尿病の持病がある

最近では、生活習慣病の一環としてSASを診るクリニックも増えてきています。

睡眠外来・いびき外来のある病院も選択肢

最近では、いびきや睡眠障害に特化した**「睡眠外来」や「いびき外来」を設けている医療機関もあります。
こうした外来では、耳鼻科や内科、精神科、歯科など
複数の専門医が連携**して診療にあたってくれるケースもあり、原因不明のいびきや重度の睡眠障害にも対応できます。

特に「CPAP」などの治療や、精密な睡眠検査を希望する場合は、最初から専門外来を受診するとスムーズです。

いびきの原因によって異なる診療科の選び方

いびきは一つの原因から起こるわけではなく、人によって引き起こす要因が異なるため、適した診療科も変わってきます。
ここでは原因別に、どの診療科にかかるべきかを詳しく解説します。

鼻づまり・アレルギー性鼻炎 → 耳鼻科へ

「鼻が詰まって口呼吸になると、いびきをかきやすくなる」というのはよく知られた事実です。
この場合、根本原因である鼻づまりやアレルギー性鼻炎を解消することで、いびきが改善する可能性があります。

  • 花粉症による慢性的な鼻炎

  • 鼻中隔のゆがみによる空気の通りの悪さ

  • 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)による鼻腔の炎症

こうした症状がある人は、耳鼻咽喉科での検査や治療が最優先です。
必要に応じて、アレルギーの薬や点鼻薬、手術などが検討されることもあります。

肥満・生活習慣病由来のいびき → 内科・生活習慣病外来

肥満は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の最大のリスクファクターの一つです。
首周りや喉の脂肪が気道を圧迫し、寝ている間に呼吸がしにくくなってしまうのです。

このタイプのいびきは、ダイエットや生活習慣の改善が非常に重要であり、医師の管理のもとで治療を進める必要があります。
以下のような方は内科、または生活習慣病外来の受診を検討しましょう。

  • BMIが25以上(肥満気味)

  • 食生活の乱れや運動不足がある

  • 血圧や血糖値の異常を指摘されている

内科的な視点でのアプローチによって、いびきの改善だけでなく、全身の健康にも良い効果が期待できます。

子どものいびき → 小児科 or 小児耳鼻科へ

子どものいびきは、大人とは異なる原因で起こることが多く、放置すると成長や学習にも悪影響を与えることがあります。

代表的な原因は以下のとおりです。

  • アデノイド(咽頭扁桃)の肥大

  • 扁桃腺が大きく、空気の通り道を塞いでいる

  • アレルギー性鼻炎や風邪による一時的な鼻閉

特に「寝ているときに息が止まっている」「夜間にむせる・せき込む」などの様子がある場合は、小児科または小児耳鼻科の受診が重要です。
検査の上、手術が必要とされるケースもあります。

病院で行われるいびきの検査とは

いびきが病的なものか、それとも単なる一時的な症状かを見極めるには、医療機関での検査が非常に重要です。
特に「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の可能性がある場合は、放置すると高血圧・心疾患・脳卒中のリスクが高まるため、正確な診断と早期対応が求められます。

ここでは、病院で受けられる代表的ないびき検査について紹介します。

簡易検査(自宅で実施可能)

まずは自宅でできる「簡易検査」があります。
これは、携帯型の検査装置を使って寝ている間の呼吸状態・酸素濃度・いびき音などを記録し、異常がないかを確認するものです。

検査の流れは次の通りです:

  • 病院で検査機器を受け取り、自宅で就寝前に装着

  • 翌日、データを医師に提出

  • 異常の有無や重症度を判定

この検査では、「無呼吸・低呼吸指数(AHI)」という数値が特に重視され、1時間あたりの呼吸停止の回数をもとに重症度が分類されます。
簡易的とはいえ、重度のSASが見つかることも多いため、初期診断には非常に有効です。

ポリソムノグラフィー(終夜睡眠ポリグラフ検査)

より精密な診断が必要な場合は、**ポリソムノグラフィー(PSG)**という検査が行われます。
これは病院に一泊して、睡眠中の以下のようなデータを詳細に記録する検査です:

  • 脳波・眼球運動・筋電図(睡眠の深さ)

  • 呼吸のリズムと停止の有無

  • 酸素飽和度

  • 心拍数

  • いびき音とそのタイミング

PSGによって、いびきの原因がどこにあるか、無呼吸がどの段階で起きているのかを正確に把握できます。
保険適用で受けられる場合も多く、SASの治療計画には欠かせない検査です。

いびきの診断でわかる病気と治療法

いびきは、ただの生活習慣の一部と捉えられがちですが、放置してはいけない病気のサインであることも少なくありません。特に「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、放置すると高血圧・心筋梗塞・脳卒中などの重大疾患に繋がるリスクがあるため、適切な診断と治療が重要です。

ここでは、いびきの診断によって判明する代表的な病気と、それぞれの治療法について解説します。

睡眠時無呼吸症候群と診断されたら?

SASとは、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。主に2種類があり、

  • 閉塞性SAS(OSA):空気の通り道(気道)が塞がって呼吸が止まるタイプ

  • 中枢性SAS(CSA):脳からの呼吸指令が停止するタイプ

のいずれか、または混合型が存在します。
特にOSAは肥満・扁桃肥大・アゴの小ささなど解剖学的な問題が原因となることが多く、治療には根本原因へのアプローチが求められます。

CPAP(シーパップ)療法

中〜重度のSASと診断された場合、CPAP(持続陽圧呼吸療法)が第一選択になります。
この治療では、就寝時に鼻にマスクを装着し、空気を送り込んで気道を広げることで無呼吸を防止
します。

  • 毎晩使用することで睡眠の質が改善

  • 翌日の眠気や頭痛が軽減

  • 高血圧や心疾患の予防にも効果あり

CPAPは健康保険の対象であり、月々の自己負担は約4,000〜5,000円程度(3割負担)です。

マウスピース(口腔内装置)

軽度のSASやいびきには、マウスピース治療(OA:口腔内装置)が用いられます。
歯科で専用の装置を作成し、下顎を前方に固定して気道を広く保つ仕組み
です。

  • 睡眠中のいびきが大幅に軽減

  • 持ち運びが簡単で、旅行先でも使える

  • 歯科の保険診療で対応可能(3割負担で1〜2万円程度)

ただし、顎関節症や歯の状態によっては使用が難しい場合もあります。

外科手術や舌下神経刺激療法も

他の治療が効果を示さない場合や、解剖学的な異常が大きい場合には手術療法が検討されます。
また、比較的新しい治療法として「舌下神経電気刺激療法(インスパイア)」も登場していますが、**自由診療かつ高額(200〜300万円程度)**になるケースが多く、慎重な判断が必要です。

受診前に準備しておきたいチェックポイント

いびきの悩みを抱えて病院へ行くと決めたら、限られた診察時間を有効活用するための準備をしておくことが大切です。
スムーズな診察と的確な診断につなげるために、事前に整理しておくべき情報を以下にまとめます。

1. いびきの症状についての記録

医師がいびきの性質を把握するためには、具体的な症状の情報が非常に役立ちます。以下のような点をメモしておくと良いでしょう。

  • いびきが始まった時期や頻度

  • どんな姿勢でいびきがひどくなるか(仰向け、横向きなど)

  • 睡眠中に呼吸が止まっていると言われたことがあるか

  • 日中の眠気や集中力の低下、倦怠感の有無

  • 起床時に口が乾いている、頭痛がある、喉が痛いなどの症状

これらを箇条書きでスマホのメモなどにまとめておけば、問診の際にすぐ伝えられます。

2. 家族やパートナーからの情報も大切

いびきの音や呼吸の様子は本人が自覚しづらいため、同室で寝ている家族やパートナーの証言がとても重要です。

以下のような情報を確認しておきましょう:

  • いびきの音量(大きい、小さい、変化する)

  • 呼吸が止まっていたように見えた時間帯

  • 寝返りや寝言が多いかどうか

  • 寝ている間に苦しそうな様子があったかどうか

可能であれば、いびきの録音いびき測定アプリの結果を持参するのもおすすめです。

3. 生活習慣・服用中の薬の確認

いびきの原因には、生活習慣や服薬の影響も含まれます。医師が全体像を把握できるよう、以下の情報も整理しておきましょう。

  • 体重の増減(過去半年や1年で)

  • 飲酒や喫煙の習慣

  • 運動頻度と生活リズム

  • 睡眠時間や入眠・起床の時間帯

  • 使用中の薬(特に睡眠薬、精神安定剤、抗アレルギー薬など)

これらの情報があると、医師は原因の切り分けや治療方針の判断をしやすくなります。

まとめ:いびきで病院に行くなら何科?迷ったら耳鼻咽喉科が第一選択

いびきは単なる睡眠の問題ではなく、健康全体に影響を及ぼすサインである場合があります。
その原因は非常に多様で、鼻づまり・肥満・顎や舌の形状・脳の指令異常など、人によって異なるため、適切な診療科への受診が早期改善への鍵となります。

初めての受診なら「耳鼻咽喉科」がおすすめ

もし、どの科を受診すべきか迷っている場合には、まずは耳鼻咽喉科を選ぶのが最も無難で効果的です。
理由としては以下の通りです:

  • 鼻や喉など、いびきに直結する構造を詳細に診察してくれる

  • 睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査(簡易検査)を行ってくれる施設が多い

  • 必要に応じて他科(内科や歯科、睡眠外来)へ紹介してもらえる

耳鼻咽喉科は、いびきの原因の初期スクリーニングに最適な診療科であり、最短ルートで適切な治療につながる可能性が高いのです。

子どもの場合は「小児耳鼻科」や「小児科」

子どものいびきに関しては、アデノイドや扁桃肥大などが原因になることが多いため、小児科または小児耳鼻科の受診が望ましいです。
発育や学習能力への影響を避けるためにも、気になる症状があれば早めに相談しましょう。

病気の早期発見と生活の質の向上のために

慢性的ないびきや、呼吸の停止を伴う場合は、放置していると以下のようなリスクがあります:

  • 日中の強い眠気・集中力の低下

  • 高血圧や糖尿病などの生活習慣病の悪化

  • 心筋梗塞・脳梗塞などの致死的リスクの増加

  • 睡眠の質の低下によるうつ症状

「ただのいびき」と軽視せず、早めの受診・検査を検討することが、自分自身の健康を守る第一歩です。


参考・引用記事

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